転勤時のマンション売却で失敗しないためのポイントとやるべきことを解説コラム
会社から突然の転勤の辞令。
しかも戻ってこられる可能性はかなり低そう。
そんなときあなたは、購入済みのマンションをどうしますか。
この記事では「転勤が決まったけど、このマンションどうしよう?」と悩んでいるあなたに、マンション売却という一つの方法を解説します。
マンションは売却以外にも、賃貸として貸し出したり、知人や親族に住んでもらったりする方法もありますが、次のような人にはマンション売却が最適な選択となるでしょう。
・転勤で戻ってこられる保証がない
・どうやっても短期間では戻ってこられない
・将来マンションを手放そうとする理由や想いがある
条件に該当する方はぜひ読んでみてください。
転勤でマンションを売却する際の手順4ステップと必要書類
マンションを購入すること自体が一生に一度あるかないか。
だからこそ、多くの人がマンション売却の手順と言われても想像がつかないでしょう。
こちらでは、売却の手順や必要書類などをざっくり把握して、スムーズなマンション売却ができるよう解説します。
全体的な流れと必要となる書類
まずは全体的な流れと必要となる書類を把握しましょう。
流れがイメージできると、売却までのスケジュール感が掴めます。
全体的な流れは次のとおりです。
ステップ1:売却するマンションの査定
ステップ2:不動産会社の選択と媒介契約の締結
ステップ3:売買活動と契約交渉
ステップ4:売買契約の締結から引渡
以下に、査定時・媒介契約時・契約引渡時のそれぞれの場面で必要となる書類をまとめていますので参考にしてください。
■マンション売却に必要な書類
準備するべき書類 | 査定時 | 媒介契約時 | 契約引渡時 |
身分証明書 | 〇 | 〇 | |
登記済証または登記識別情報 | 〇 | 〇 | 〇 |
登記簿謄本 | 〇 | 〇 | |
印鑑証明書・実印 | 〇 | ||
住民票または戸籍附表 | 〇 | ||
購入時の売買契約書と重要事項説明書 | 〇 | ||
購入時の販売図面(パンフレット) | 〇 | 〇 | 〇 |
間取り図 | 〇 | ||
マンション管理規約・長期修繕計画書・総会議事録 | 〇 | 〇 | |
リフォーム履歴を確認できる資料 | 〇 | 〇 | 〇 |
固定資産税・都市計画税納税通知書 | 〇 | ||
ローン残高証明書・返済償還表・抵当権抹消書類 | 〇 | 〇 | |
耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書 | 〇 | ||
預金通帳 | 〇 |
この他にも書類を求められることがありますので、その際は不動産会社の指示にしたがいましょう。
ステップ1:売却するマンションの査定
相場や価格がわからなれば値付けはできませんよね。
なのでまずは、売却したいマンションがどのくらいの価値があるかを査定してもらいます。
売却するマンションの査定は不動産会社にお願いをしましょう。
査定の方法は、直接不動産会社に問い合わせをする方法(訪問査定)とインターネットを利用した一括査定(机上査定)の2つあります。
まずは机上査定の一括査定で大体の予算を把握し、そこから訪問査定してもらう不動産会社を絞るというやり方がもっとも堅実かつ確実な方法です。
訪問査定とは
訪問査定は、売却を検討している物件を不動産会社に実際見てもらう方法です。
実際に目で見るため、正確な価格が分かることと、不動産会社の対応も見られるという点でメリットがある一方で、時間がかかるというデメリットがあります。
机上査定とは
机上査定は、所在地や面積、築年数などで大まかに査定する方法です。
実際に誰かが見に来るわけではなく、インターネット上に情報を入力して査定してもらいます。
一括して複数社に査定できるサービスもあるので、時間をかけず複数社に査定してもらえるというメリットがあります。
一方デメリットは、実際に見るわけではないためざっくりとした査定額になることです。
ステップ2:不動産会社の選択と媒介契約の締結
不動産会社に査定してもらい価格に納得できたなら、次は不動産会社と契約を締結します。
契約するのは媒介契約(ばいかいけいやく)というものです。
媒介契約とは、家や土地を売る際に不動産会社と結ぶ「売却活動」や「仲介手数料」を取り決めた契約のことを言います。
媒介契約には次の3種類の契約方法があります。
・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約
それぞれの契約の違い
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
同時に複数社との契約可 | 契約は1社のみと | 契約は1社のみと |
自らでも買い手を探せる | 自らでも買い手を探せる | 自ら買い手を探してはダメ |
契約期間なし | 契約期間3ヶ月 | 契約期間3ヶ月 |
レインズへの登録義務なし | 媒介契約締結後、7日以内にレインズに登録必須 | 媒介契約締結後、5日以内にレインズに登録必須 |
販売状況報告の義務なし | 2週間に1回以上の販売状況の報告義務がある | 1週間に1回以上の販売状況の報告義務がある |
※レインズとは:不動産会社しか利用できない売却ネットワークを管理するコンピューターシステムのこと
自分の状況や売却する物件の状況、または不動産会社の対応なども含めて、どの契約にするか選択しましょう。
ステップ3:売買活動と契約交渉
媒介契約の締結が完了したら、いよいよ売却に向けて活動していきましょう。
まずは売り出しの価格を決定します。
理想は高く売れることだと思いますが、売り手と買い手の考える価格がマッチしなければ売買は成立しません。
適切な価格の設定を心掛けましょう。
価格を決めたら、次は売却に向けた活動となります。
購入希望者が現れたなら、実際に物件を見てもらう必要があります。
たくさんの方に内見してもらい検討してもらいましょう。
購入希望者からの価格交渉などにも対応していきます。
どのくらいまでの値下げなら大丈夫なのか、不動産会社と意思疎通を図りスムーズに話を進めていきましょう。
ステップ4:売買契約の締結から引渡
価格や契約条件について購入希望者と双方で合意ができたなら、いよいよ売買契約の締結です。
締結前には契約書の内容をいま一度再確認しておきましょう。
あとで後悔しないためにも、分からないことは不動産会社に必ず確認しておいてください。
契約が終われば物件の引渡です。
引渡日当日までに引越しを完了させておきます。
引渡日当日は、重要書類やマンション鍵の引渡し、代金決済や不動産会社への仲介手数料の支払いなどを行います。
一般的にマンション売却は、不動産会社との媒介契約締結から引渡まで、約3ヶ月〜半年ほどかかると言われます。
物事がスムーズに運ぶように、しっかりとスケジュールの管理をしていきましょう。
転勤時のマンション売却で損しない方法と対策
マンション売却において、だれも損はしたくないはずです。
ですが世の中には知識がないことで損していることがたくさんあります。
税金やお金に関する知識もその一つです。
こちらでは損しないための対策と方法について解説しています。
より良い条件でマンションが売却できるよう、ぜひ目を通してみてください。
信頼のある(マンション売却に強い)不動産会社に頼む
マンションの売却を検討するなら、マンション売却に強い不動産会社に頼むことが大切です。
不動産会社といっても、土地の売買が得意、新築が得意、戸建が得意など会社により、得意不得意があります。
マンション売却が得意な不動産会社と出会えれば、相場より高い金額での売却も夢ではありません。
不動産買取も視野に入れる
転勤時のマンション売却では、一般的は媒介契約での売却だけではなく、不動産買取も視野にいれると売却の幅が広がります。
不動産買取は、不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。
不動産会社の買取価格に同意すれば成立します。
急いで売却したいという場合は、不動産買取という方法も検討してみるとよいでしょう。
売却を焦りすぎない
時間がないからと売却を焦りすぎるのは禁物です。
なぜなら相場より安い価格で売却してしまう可能性があるからです。
「この人かなり売却を焦っているな」と相手に伝わってしまうと、足元をみられて相場より安い価格で売却してしまう可能性があります。
心と時間に余裕をもち平常心で判断できるように心掛けましょう。
転勤時のマンション売却によくある質問と注意点
こちらではよくある質問に回答しています。
マンション売却をストレスなく進めていくためには知識も必要です。
分からないことが発生した場合には、すぐに調べるクセをつけておくと良いでしょう。
ローンが残っていても売却できる?
住宅ローンが残っていてもマンションを売却することは可能です。
ですが、売却時にローンの残債を一括返済する必要があり、ローン残債は売却代金にて差し引きされます。
マンション売却の相場の調べ方とは
マンション売却の相場を調べるには、次の方法があります。
- 不動産会社のホームページから問い合わせる
- 複数社から一括査定のできるサイトを利用する
- レインズマーケットインフォメーションで調べる
- 土地総合情報システムで調べる
- 売却を検討する物件に近い不動産会社に聞く
マンション売却で損しないためには、まずは相場を把握することが大切です。
売却に掛かる費用と税金とは?
売却に関して発生する費用や税金がこちらです。
- 印紙税
- 不動産会社への仲介手数料
- 住宅ローンの繰り上げ返済手数料
- 登録免許税・抵当権抹消費用
- 司法書士への報酬
- 引越費用
- 譲渡所得税
手数料や諸費用もしっかりと把握して、資金計画に加えておきましょう。
転勤が決定!マンション売却以外の選択肢とは?
これまでマンション売却について解説してきましたが、売却以外の方法はないのでしょうか。
実際には売却のほかにも、賃貸や親族知人へ貸出する方法もあります。
賃貸として貸出
ひとつは賃貸として第三者に貸し出す方法です。
この場合は、賃貸料がローンの月々の支払いより多ければ問題ないのですが、ローンより賃貸料が安い場合は、新しい住居の支払いと旧住居の支払いが二重で発生するため、金銭的な負担が大幅に増えてしまいます。
そのほか入居者とのトラブルや、第三者が住むことへのストレスなどが発生することがあります。
親族や知人への貸出
こちらの場合は親族や知人の理解が必要です。
いずれ退去してもらう必要があること、家賃の金額など、お互いの合意が取れれば良い方法かもしれません。
自分の身近に信頼して貸出できるほどの人物がいるのか、この点が判断するうえで重要な点になります。
まとめ
転勤に伴うマンション売却について解説してきましたが、この記事でおおまかなイメージが掴めたのではないでしょうか。
これまでマンション売却を経験したことがないあなたも、知識さえあればスムーズに対応可能です。
相性の良い不動産会社と信頼関係を構築しながら話を進めていくことで、おのずとベストなマンション売却に辿りつけるはずです。