不動産売却の見積もりとは?注意点や地域別の相場について解説コラム
「不動産売却における見積もりってなに?」
「見積もりを依頼する時の注意点は?」
そのような疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
不動産を売却する時には必ず見積もりを取ります。
そこで、今回は「見積もりの基本知識」「見積もりをとるときの注意点」を紹介します。
不動産売却をするためにこれから見積もりを取ろうと思っている人は、ぜひ最後まで本記事を読んでみてください。
不動産売却の見積もりの基本知識
まずは、不動産売却における見積もりに関する基本知識を解説します。
基本知識を知り、見積もりに関する理解を深めましょう。
不動産売却の見積もりとは?
不動産売却における「見積もり」とは、売却するときに「いくらで売れそうか?」を計算したものです。
見積もりを出す理由は、適正な売り出し価格を設定するためです。
物件に対して価格が高すぎたり安すぎたりすると物件がなかなか売れません。
物件を売却しやすくするためにも見積もりが必要になるのです。
ただし、あくまで見込みなので、見積もり通りの金額で売却できるとは限りません。
売却をする時には、買い手との交渉によって売却額が変動するためあくまで目安として捉えておきましょう。
不動産売却の見積もりの種類
不動産売却時に算出する見積もりには、「訪問査定」と「机上査定」の2種類があります。
精度の高い査定を希望する場合は「訪問査定」、多少精度が粗くても手間や時間をかけずに査定してほしい場合は「机上査定」がおすすめです。
それぞれの査定方法について詳しく解説します。
訪問査定とは
訪問査定とは、不動産業者が物件を直接見て見積もりを出すことを言います。
物件の状態や土地を実際に見るため、「日当たり」「通風」「騒音」「シロアリ」など写真やデータからでは分からない部分についても分かります。
そのため、よりリアルな査定額が算出されます。
机上査定とは
机上査定とは、訪問査定の逆で物件を直接見ずに行う査定のことを指します。
机上査定の場合、物件を見に行く手間と時間が省けます。
しかし、「日当たり」「通風」「騒音」「臭気」などの情報を反映して見積もりを出すことができません。
そのため、査定の精度が訪問査定よりも落ちるのがデメリットです。
売却額を左右するポイントとは?
不動産売却をする際、さまざまな要因で売却額は決まります。
特に金額に大きく影響を与えるのは以下の4つの点です。
- 築年数
- 内装や外装の傷・汚れ
- 太陽光発電機などの最新設備の有無
- 周りの環境(騒音、悪臭、立地...etc)
当然ですが、古い物件であればあるほど金額は下がります。
築年数と比例する傾向にある内装や外装の傷・汚れも売却額に影響を与えます。
物件の状態だけでなく、周りの環境も重要です。
例えば、騒音がひどかったり、悪臭がする場合などは売却額は下がる傾向にあります。
太陽光発電機など最新機器が備わっている場合は、売却額が高くなることもあります。
自分ではどうしようもない要因も含まれますが、上記の要因で査定額が変わることを把握しておきましょう。
不動産売却の見積もり依頼は無料?
不動産売却をする際には見積もりを依頼しますが、費用は発生しません。
理由は、不動産会社が見積もりをとるのは営業行為の一環であるからです。
見積もりは、依頼しても費用がかかりませんので、安心して見積もり依頼をしましょう。
ちなみに、不動産会社が得る利益は「仲介料」です。
売りに出していた物件が売れた場合に、売却額のうちいくらかを不動産会社は受け取ります。
不動産会社にお金を支払うのは、基本的に物件が売れてからになるため、売却時以外に料金を請求された場合は、なぜ必要なのかをしっかり説明してもらいましょう。
不動産売却における見積もりの注意点
最後に、不動産売却の見積もりを依頼する場合の注意点について解説します。
注意点は主に4つです。
- 査定額=売却額ではない
- 事前に相場を把握しておく
- 複数の不動産会社に見積もりを依頼する
- 地域別の不動産売却相場の違いと注意点
それぞれの注意点について詳しく解説します。
査定額=売却額ではない
不動産業者に見積もりを依頼し算出された査定額は、売却額とは異なります。
査定額には、登記費用、税金、手数料なども換算されています。
また、買い手から値下げの交渉があり、買い手と売り手が納得いく価格で着地するのが一般的な流れです。
例えば、業者からの査定額が4000万円だったため、物件の売り出し価格を3800万円にし、買い手との交渉により3600万円が売却額になるというような流れです。
「査定額=売却額ではない」という認識を持ち、登記費用や手数料など別の費用が必要なことと、値下げ交渉があることを把握しておきましょう。
事前に相場を把握しておく
見積もりを依頼する場合は、事前に相場を把握しておきましょう。
相場を把握せず、不動産業者の査定額だけを見て売り出し価格を決めると、金額が高いのか低いのかが分かりません。
また、金額への納得感も得られないでしょう。
見積もりの前でも後でも良いので、売りに出す物件と同じような条件の物件の相場は事前に把握しておくのがポイントです。
複数の不動産会社に見積もりを依頼する
業者に見積もりを出してもらう時は、複数の不動産会社に依頼しましょう。
1社だけだとその見積もりが正しいかどうかが判断できません。
また、業者の中には悪徳な業者もいるため、依頼者が損をするような見積もりを出してくる場合があります。
適正な価格で、信頼できる不動産業者に依頼できるよう複数の業者に見積もりを依頼するようにしましょう。
不動産売却の見積もりを依頼する前にやるべきこと
不動産売却における見積もりを依頼する場合は、以下の2点を事前に行うとスムーズに見積もりが出せます。
- ローンの残高を調べておく
- 必要な書類を準備しておく
それぞれについて詳しく解説します。
ローンの残高を調べておく
ローンの残高を調べておきましょう。
住宅ローンが残っている状態で売却を行う場合、売却時に一括で返済する必要があります。
そのため、ローンがどのくらい残っているかは、売却額を決めるにあたって重要な情報になります。
ローンがどのくらい残っているかは、ローンを支払っている銀行で申請すると教えてくれます。
見積もりを依頼する前に銀行に行って、ローン残高を調べておきましょう。
必要な書類を準備しておく
見積もりを出す際には、以下の書類が必要になります。
- 公図
- 測量図
- 権利書
- 登記簿謄本
- 建物の図面
公図とは、土地の形状や隣接地との位置関係が一目で分かるように作られたもののことを言います。
登記簿謄本、公図、測量図は法務局で取得することが可能です。
また、権利書は不動産の登記をした際に法務局から「登記済権利証」という名前で発行されているものです。
上記の書類を準備し、スムーズに見積もりを進めましょう。
地域別の不動産売却相場の違いと注意点
地域別の不動産売却相場の違いを表にまとめました。
レインズの調査をもとに算出しています。
都道府県 | マンション1平米あたりの金額(万円) | 戸建て1平米あたりの金額(万円) |
北海道 | 27.27 | 7.45 |
宮城県 | 29.67 | 8.68 |
福島県 | 28.63 | 3.59 |
茨城県 | 36.80 | 5.97 |
埼玉県 | 40.65 | 15.78 |
東京都 | 87.62 | 48.92 |
千葉県 | 35.59 | 8.46 |
神奈川県 | 51.08 | 26.30 |
山梨県 | 17.98 | 3.31 |
静岡県 | 28.05 | 6.30 |
福井県 | 20.22 | 6.82 |
岐阜県 | 26.47 | 6.65 |
静岡県 | 28.05 | 6.30 |
愛知県 | 30.44 | 17.03 |
京都府 | 41.10 | 15.8 |
大阪府 | 42.04 | 20.95 |
兵庫県 | 35.71 | 11.47 |
岡山県 | 25.50 | 4.70 |
広島県 | 29.61 | 10.83 |
福岡県 | 33.58 | 7.69 |
長崎県 | 40.17 | 6.13 |
熊本県 | 23.57 | 5. 48 |
鹿児島県 | 28.75 | 3.46 |
沖縄県 | 44.42 | 14.32 |
上記のデータは日々変動するためあくまでも目安となります。
上記のデータをもとに、『不動産の平米数 × 平米単価』で見積もりは算出されます。
ただし、傷の有無、立地条件、日当たり、住環境(騒音、異臭など)によっても変動することは注意しておきましょう。
また、東京は地価が高いため、他の都道府県と比べると1平米あたりの単価が高くなる傾向にあります。
不動産売却の見積もりに関してよくある質問
最後に不動産売却におけるよくある質問を紹介します。
これから見積もりを依頼しようと思っている人はぜひ参考にしてみてください。
売却価格は途中からでも変更できますか?
売却価格は途中からでも変更可能です。
販売活動をしているけど買い手が見つからない場合や、そもそも購入希望者が少ない場合は売却価格に問題があるケースもあります。
売り出し価格が高すぎたり低すぎたりする場合があるので、不動産会社と相談して売却額を変更しましょう。
机上査定と訪問査定はどちらがおすすめですか?
机上査定と訪問査定は、何を求めているかによってどちらがおすすめかが変わります。
精度の高い見積もりを出してほしい場合は訪問査定がおすすめです。
精度が粗くても時間や手間をかけずに見積もりを出してほしい場合は机上査定がおすすめです。
希望に合わせてどちらの査定方法にするかは選びましょう。
見積もりを出すまでにどのくらいの時間がかかりますか?
見積もりを出すのにかかる時間は、「机上査定」か「訪問査定」のどちらを選ぶかによって変わります。
机上査定の場合は、一般的に30分〜1時間程度で見積もりを出すことができます。
訪問査定の場合は、実際に物件を見たうえでインフラ状況などを確認する時間も必要なため、数日かかるのが一般的です。
まとめ
今回は不動産売却における見積もりについて解説をしました。
見積もりとは、「どのくらいの金額で売れそうか」を表した数字になります。
あくまで予測なので、査定額=売却額ではないことには注意が必要です。
見積もりには、「机上査定」と「訪問査定」があります。
精度の高い査定をしてほしい場合は訪問査定、手間や時間をかけずに査定をしてほしい場合は「机上査定」がおすすめです。
不動産業者に納得のいく見積もりを出してもらい、不動産売却を成功させましょう。