住み替えローンでマンションを乗り換える方法 l 流れや注意点も解説コラム
今の住まいから新しい住まいに住み替えを検討している方の中には、住み替えローンを検討している方も少なくないでしょう。
住宅ローンを残したまま次の不動産の購入資金を借り入れできる住み替えローンは、事前に情報を集めておくことでスムーズに進められます。
反対に、情報を集めずにいきなり契約しようとしてしまうと、失敗したりスムーズに進めなかったりする可能性があるため注意が必要です。
本記事では、住み替えローンと住宅ローンの違いや、住み替えローンを利用する際の流れ・注意点を解説します。
住み替えローンの利用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
住み替えローンとは
住み替えローンとは、現在残っているローン残債と新しく購入する住宅の費用を合算して借入れられる住宅ローンの一種です。
主に、住宅を売却しても住宅ローンを払いきれない場合に利用します。
例えば、新しい住まいを購入するために住宅ローンを組みたい場合、現在の住まいのローンが残っていると、新たにローンを組むことができません。
現在の住まいを売却してローンの残債を一括返済できれば新たにローンを組めますが、年数が経っている家だと、売却しても残債を返済できないことがあります。
しかし住み替えローンならば、残債のある住まいからでも住み替えが可能です。
メリットばかりを挙げましたが、住み替えローンにはデメリットもあります。
残っている住宅ローンと新居の購入費用を合算する分、銀行での審査が厳しくなるのがデメリットです。
住宅ローンと住み替えローンの違い
住宅ローンは、新築・中古住宅の購入やリフォームを行う際に、金融機関などから借りる住宅取得専用のローンです。
住宅価格は高額ですぐには返済できないため、20〜30年かけて返済することになり、金利も安く済むのが一般的です。
対して住み替えローンは、残っている住宅ローンに加え、新たに購入する住宅のローンも合算するローンのことです。
金額が大きくなる分、住宅ローンよりも審査が厳しく、金利も高くなります。
住宅ローンが新居の購入費用のみを借り入れするのに対し、住み替えローンは現在住んでいる住宅ローンの残債と新居の購入費用を借り入れするローンです。
賃貸に住んでいて新居を購入する方や、旧居のローン残債がない状態で新居を購入される方は、住宅ローンが利用できます。
住み替えローンを利用する必要があるのは、住宅ローンの残債がある状態で住み替えを検討している方です。
住み替えローンを利用する際の流れと手続き
残っている住宅ローンと新しく購入する住宅ローンを合算して借り入れられる住み替えローン。流れを知っておくことでスムーズに進められます。
流れを知っておかないと、融資の段階でストップなんてことになりかねないため、注意が必要です。具体的な流れを、以下に記します。
- ローン残債と予算を確認する
- 不動産会社を探す
- 住み替えローンを扱っている金融機関を探す
- 審査を受ける
- 融資を受ける
ローン残債と予算を確認する
まずは、現在残っている住宅ローンのローン残債を確認してから、売却する住宅の売却価格をリサーチしましょう。
リサーチする際は、不動産会社ではなく複数の不動産サイトにて査定をおこない、正しい相場を割り出すことが重要です。
正しい相場がわかれば、自己資金から新しい住宅の頭金に充てられる金額や住宅売却後のローン残債に充てられる金額を割り出せます。
住み替えローンは審査が厳しいため、前年度の収入が載っている源泉徴収票のような審査に有利になる書類をあらかじめ用意しておきましょう。
不動産会社を探す
不動産会社を探す際には、事前に住み替え希望であることを伝えましょう。
住み替え希望であることを伝えると、それぞれの会社特有のサポートを提案されます。
複数社を比較し、自身が受けられるサポートの内容や住宅の売却額を基準に、有利に住み替えられる不動産会社を選びましょう。
また、一般媒介契約なら不動産会社を1社に絞る必要はないため、迷った場合は複数社と契約するのも手です。
一般媒介契約とは、不動産を売却する際に仲介してくれる不動産会社と取り交わす媒介契約の一つです。
他にも契約方法はありますが、一般媒介契約が最も制限が少なく自由度の高い契約方法です。
住み替えローンを取り扱っている金融機関を探す
住み替えローンは大小様々な銀行で取り扱われており、銀行ごとにオリジナルの金利サービスがあったり、審査基準が異なったりします。
住宅ローンとは違い、金利が高く審査が厳しいため、なるべく多くの銀行を比較して決めましょう。
万が一審査に通らなかった時のことを考え、複数候補を用意しておくとスムーズに住み替え希望の借り入れを進められます。
過去に住宅ローンを組んだ金融機関では住み替えローンを組めないため、その金融機関は除外して考えましょう。
審査を受ける
金融機関が決定したら、住み替えローンを借り入れるための審査を受ける必要があります。なお、審査は二段階あり、事前審査と本審査です。
事前審査では、収入・勤務先・頭金の有無・借入希望額をもとに返済能力が審査され、2〜3日程かかるのが一般的です。
本審査では、勤続年数や雇用形態、家族構成や新居の担保評価をもとに2〜3週間審査が行われます。
融資を受ける
本審査を通過できたら、融資を受けられます。住み替えローンでは、融資を受けた後に3つの方法を選ぶことが可能です。
1つ目は、先に旧居を売り、売却額からローンの返済に充てる分と新居の頭金に充てる分を計画する売り先行と呼ばれる手法です。
2つ目は、先に新居を買い、仮住まいを利用せずスムーズに新居に移れる買い先行という手法です。
3つ目の同時進行のやり方であれば、旧居の売却と新居の購入を同時に行うことで住み替えをスムーズに進められます。
3つの方法のうちどれが有利に働くかは個人の状況や好みによるため、自分に合う方法を選びましょう。
本審査通過後、指定の口座に入金されます。住み替えローンの場合、入金された日のうちに旧居の売却と新居の決済を行わなくてはならないため、注意が必要です。
すべての段取りをスムーズに行うために、住み替えを行う日は空けておくようにしましょう。
住み替えローンを利用する際の注意点
住み替えローンを利用する際には、以下4つの注意点を意識しましょう。
- 完済に年齢上限がある
- 団体信用生命保険に加入できずローンを組めない可能性がある
- 住宅ローンと住み替えローンは同じ銀行で組めない
- 借入額が多くなるため審査基準が高くなること
借入額が多くなるため審査基準が高くなる
ローン残債がある住み替えローンは、住宅ローンよりも審査基準が高いのが特徴です。
審査基準が高いことにより、住宅ローンの時は審査を通過できた方でも、住み替えローンの時では審査を通過できない可能性があります。
審査を通過したいと考えている方は、基準が低く設定されている金融機関を利用して審査通過を目指しましょう。
金融機関を厳選しても審査が通りにくい場合は、新居のグレードを下げ、借り入れる額を調節してみることが大切です。
ローン残債と合算しても住宅ローンと変わらない額に調整することで、同じような審査基準で審査を受けられるでしょう。
住宅ローンには1度受かっているため、気持ち的にも楽に審査を受けられます。銀行側の基準が高いのであれば、こちらの基準を下げればいいのです。
ローン完済に年齢上限がある
住宅ローン同様、住み替えローンにも完済に年齢上限があります。
上限は銀行ごとに異なりますが、住宅ローンと同じく満80歳であることが多いようです。
50歳で住み替えローンを借り入れる場合は、30年未満に完済しなくてはいけなくなるため、注意しましょう。
もし35年ローンを組みたい場
合は、44歳までにローンを組む必要があります。
住宅ローンを借入れていた銀行では住み替えローンを借入れられない
住宅ローンを借入れていた銀行では、住み替えローンを借り入れることができません。
理由は、住宅ローンと住み替えローンでは金利が異なり、銀行側が損をする可能性があるからです。
住み替えローンは住宅ローンを組んでいた銀行以外で組まなければいけないため、利用する金融機関を探す際に注意しましょう。
団体信用生命保険に加入できずローンを組めない可能性がある
住み替えローンを組む場合、団体信用生命保険に加入しないとローンが組めない銀行が多数あります。
しかし、団体信用生命保険は持病があると加入できないのが一般的です。
住宅ローンを組んだ時より住み替えローンを組む時の方が年齢が高くなっていることから、中には団体信用生命保険に加入できない人もいます。
年齢が上がれば、持病を患っている可能性も高くなっているからです。
団体信用生命保険に加入できない場合、審査に通過したのに融資を受けられない可能性があります。
確実に住み替えローンを組みたい方は、住み替えローンを利用する前に団体信用生命保険に加入できる状態であるかを確認しておきましょう。
持病があっても加入できるワイド団体信用生命保険への加入もおすすめです。
しかし、持病があっても入れる代わりに、保険料が他の団体信用生命保険より高くなるので気をつけましょう。
まとめ
住み替えローンの良さは、住宅ローンが残った状態で新居を買えることです。
しかし実際は、ローン残債と新居購入費用を合算するため、金利や審査基準が高くなり、住宅ローンを組む時よりかなり敷居が高くなります。
住み替えローンを利用する際は、資金や年齢に余裕があるかどうかを確認しましょう。
審査が厳しいことで、新居のグレードを下げなくてはいけなくなる可能性もあります。
ローン残債と予算を確認した段階でローン残債を払い切れそうなら、新たに住宅ローンを組むのがおすすめです。